◆◇ 王様と私 ◇◆


初演年月・国1951年3月29日  セント・ジェームス・シアター(アメリカ)
リバイバル版 1995年4月11日 ニール・サイモンシアター(アメリカ)
主なスタッフ脚本・作詞:オスカー・ハマースタイン二世/作曲:リチャード・ロジャース/振付:ジェローム・ロビンス
主な出演者ガートルード・ローレンス/ユル・ブリンナー
日本初演年月1965年
主な出演者越路吹雪/市川染五郎(現:松本幸四郎)
発想・原作マーガレット・ランドン「アンナとシャム王」
アンナのオリジナルキャスト ガートルード・ローレンスがリチャード&ハマースタインにミュージカル化の話を持ち込んだことから始まった。
ストーリー 1860年代のシャム(タイ)。港に到着した船からアンナとその息子のルイスが降り立った。アンナは自国の王宮に西洋文化を取り入れようとするシャム国の王から、皇太子チェラロンコン王子を初めとした、王子・王女の家庭教師として招かれたのだ。
 宮廷に到着したものの、王様との謁見がすむまではと数日間部屋から一歩も外に出してはもらえない。しかも宮廷の外に家をもらえる約束でシャムにやってきたものの、約束は破られ宮廷内に一室を与えられる。
 王様との謁見の日、アンナの目の前でビルマの王子からの貢ぎ物として、タプティムという女性が使者ルンタに連れられてきた。
 王様はタプティムをとても気に入ったようだが、アンナはショックを隠せない。イギリス人のアンナにとって一夫多妻制が認められている王宮は理解しがたいものだったのだ。
 しかし、王様の子供たちと対面したアンナは気を取り直し、子供たちの教師としても生活が始まった。
 王宮での生活にも慣れ、子供たちにも愛情を感じ始めていたある日、教室に王様がやってきた。約束の家が与えられないことを訴えるアンナに、王様は「おまえも余の召使いではないか」と 暴言を吐く。そんな王様に腹を立てたアンナは「イギリスに帰る」と言い出し教室を出ていく。
 それにうろたえたのはルンタとタプティム。実はこの二人は恋人同士で、アンナの計らいで密会を繰り返していたのだ。「アンナ先生がいなくなったらどうやって会えばよいのか?」二人きりで会うことが叶わないことを嘆く二人。
 その頃、王様の第一夫人であるチャン夫人がアンナの部屋を訪れていた。「王様はあなたを必要としている。本当は寂しがり屋の王様を理解してこの地にとどまって欲しい」とアンナに訴えに。チャン夫人の王様とシャムに対する愛情に心を動かされたアンナはシャムにとどまることを決意する。
 その頃、シャムを『野蛮な後進国』とみなし保護領下に置こうとするイギリスの特使一行が、シンガポールから視察にくるとの連絡が入った。王様は大国イギリスに対しシャムの力を誇示しようと考えるが、アンナの提案により西洋式レセプションを開き、特使一行をもてなすことでシャムを近代的な国に見せ、一行の認識を改めさせることになる。そして、王様がアンナに家を与えると約束して一幕終わる。

 当日、宮廷はレセプションの準備に大わらわ。王様の予想よりも早く到着した特使一行。その特使 ラムゼイ卿はアンナの亡夫トムの友人であり、アンナとも旧知の間柄だった。再会を喜ぶアンナとラムゼイに王様は嫉妬を覚える。
その頃タプティムは、ルンタとの関係を知るチャン夫人からルンタがビルマに帰国することを聞かされ絶望する。しかし、ルンタから逃亡の話を持ちかけられ、タプティムが披露するレセプション後の舞踏劇「トーマス叔父さんの小さな家」が終わり次第二人で逃げ出すことになる。
レセプション・舞踏劇ともに成功するが、王様はこの劇の王制批判的な内容が面白くない。
 しかし、アンナと二人きりになって王様が上機嫌でアンナに感謝したとき、タプティムがルンタと逃亡したとの知らせを受ける。王様は怒りタプティムをとらえるように命じる。アンナは二人の愛を認め、タプティムを許し解放してあげるべきだというが王様は聞く耳を持たない。
 やがてタプティムが捕らえられ、王様はアンナの制止も聞かず鞭打ちを命じる。アンナが思わず「野蛮人」と叫び「即刻この国から出ていく」と言った直後、王様が倒れる。
 船を待つアンナの元にチャン夫人とチェラロンコン王子が重体の王様からの手紙を持ってやってくる。それはアンナへの感謝の気持ちを述べた手紙で、その手紙に心を打たれたアンナは、出発を待つ間アンナは王宮に引き返す。
 アンナが王宮に着くと、床に伏した王様は自らの死期を悟り皇太子チェラロンコン王子に王位継承を告げ、アンナに皇太子の未来を託し息絶える。
関連映画王様と私(ユル・ブリンナー/デボラ・カー)
アンナと王様(ジュディ・フォスター/チョウ・ユンファ)1999年 アメリカ
作品に関する雑学「王様と私」の王様役といえば大抵の方はユル・ブリンナーを思い浮かべるでしょう。大きな個性とスキンヘッド、そして独特の威厳。一度見たら忘れられない大きな存在感。映画版の「王様と私」でも王様を演じていますね。
 題名が表すようにこの作品の主役は『私』のアンナです。けれど、ユル・ブリンナーの大きな大きな存在で主役を『王様』と思っている方も多いようです。
 癌で亡くなる1カ月前まで演じ続けた彼の生涯の当たり役と言える王様ですが、当初は王様役に必要な威厳を持った名前の知られたスターをイメージして作ったようです。
 それがなかなかイメージした役者さんとスケジュールが合わなかったり、条件が折り合わなかったりで開いたオーディション会場に、当時無名だったユル・ブリンナーがやってきたのです。
 こうして生涯を通じて演じることになる王様とユル・ブリンナーは出会いました。
 最初はアンナ役のガートルード・ローレンスのために、彼女を想定して書いた「王様と私」ですが、いつしかユル・ブリンナーの「王様と私」となっていったのでした。
 欧米ではユル・ブリンナーが亡くなって時間が経った今でも、王様役の役者さんはユル・ブリンナーのイメージから抜けられず大変な苦労をするようです。


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